2018年2月22日
「おおやさ」って何ですか?
和歌山市の漁師町として知られる雑賀崎地区に伝わるよもぎ団子。
明治時代から100年以上も親しまれている雑賀崎の味ですが、
現在、「おおやさ」を売っているのは、84歳の池田さんが営む池田商店のみです。
漁港前から、歩行者2人がすれ違えるぐらいの細い路地に入るとすぐに
池田商店の看板があります。
ロケハンで初めて訪れた際、この看板を見て何だかほっとしました。
縦横に走るこの路地をどこまで行ったらよいのか、迷子になるのではないかという不安がないから・・・
寿司・弁当屋のはずなのに「おおやさ」を販売しているのは、お客さんに頼まれたからということで、池田さん自身は「おおやさ」を食べたことはあっても作ったことは無かったそうです。
黒砂糖と白砂糖と蜂蜜を混ぜたたれによもぎ団子をくぐらせ、きな粉をまぶすと「おおやさ」の出来上がり!池田さんの手際のよさが目を引きます。
池田さんやその友人と一緒に店のコタツに入り、いただくことで、もちっとした団子の歯ごたえと、きな粉の中の塩が余計に懐かしさを感じさせます。
撮影当日、三角巾をきりっと身につけて待っていてくれた池田さん。
時折見せる笑顔が清清しく、いそいそと立ち働く姿に祖母の面影を重ねてしまいました。
雑賀崎をネットで検索すると、
日本のアマルフィー海岸などとも出てくるよう、
池田さんの家も「数十段ほど上らないといけない」そうで、
撮影終了後、細い道を歩いていく後ろ姿を見送りながら
ちょっぴり寂しくなり、また来ようと思いました。
池田商店は火曜定休、午前8時から午後4時までです。